バックナンバー: 2003年7月アーカイブ

No.439

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【癒しのことば】Vol.439 2003/7/31       
 総発行部数:13,602部
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※古今東西の名言から、ストレスを和らげ心を癒すことばをお届けします。
                         毎週 月・木曜日配信
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 「自分の欠点ばかり気になり出したら、そんな劣等感を直してくれる人間は
  この世に一人しかいない。つまりあなた自身だ」

          -- デール・カーネギー(アメリカの講演家)--

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 人が、どのくらい幸せかは、ほとんどその人がいつも考えていることによっ
 て決まります。

 何かいい事があったから、自分は幸せだと思えるということもあるでしょう
 が、それだって何がいい事なのか、何が良くないことなのかを決めるのは、
 自分の考え方なのですよね。

 たとえば、私たちは、いつだって簡単に不幸な気分になることができます。
 次の文章を、何度か読んでみてください。
 
 「私の人生は無駄だった。今まで何も価値のあることをしてはいないし、誰
  かの役に立っているわけではない。自分の思うようには生きていないし、
  何の才能もない。これからも何もできないと思う。ただ無意味な時を過ご
  しているにすぎない」

 どうでしょうか。
 3,4回も読んでみれば、気分も落ち込んで、自分は何て不幸なんだと思え
 るでしょう。

 逆に、幸せで、前向きな気分になることも簡単です。
 こんな文を読んでみるのです。

 「私は、今の自分に本当に満足している。いろいろなことがあったにせよ、
  できるだけのことはしているし、思うように生きている。これからも、私
  は、自分をどんどん磨いて、このすばらしい世界を楽しむことにワクワク
  している」

 少々、自己評価の低い人でも、何度も読んでみれば、気分も前向きになって
 幸福感が湧いてくるのを感じるのではないでしょうか。

 これは単に、その場の気分だけのことではなく、実際に、脳の活動にも変化
 を起こし、生理的にも身体全体に影響を与えるということが、実験により確
 認されているのです。

 私たちは、自分自身を、いつもある考えを持って見ています。

 私は、積極的だ・消極的だ。
 人づき合いが得意だ・苦手だ。
 自由に生きている・自由に生きてはいけない。
 好きなことをしても大丈夫だ・いつもちゃんとしていなくてはならない。

 その考えこそが、その人の生き方を決めているようですし、どれだけ人生に
 満足しているかも決まるのです。

 だって、さっき見たように、どんな文を読むかによって、どんな状態になる
 のかが変わってくるのですよね。
 身に付いた考えは、自分のなかで、いつでもそれに基づいた文章を読み、自
 分に言い聞かせているようなものなのです。

 そして、重要なのは、考えというものは、いつでも変えることができるとい
 うことです。

 外側で何があったにせよ、自分を責めたり、欠点をあげつらったりすること
 は、できるだけしないようにしてみましょう。
 問題は、何かを学ぶチャンス、成長のきっかけなのですから。
 欠点だって、見方によれば、自分らしい個性になるはずです。

 それよりも、自分ができること、長所に焦点を当てるようにしてみましょう。
 自分を受け入れ、自分のすばらしいところを見るようにしましょうよ。

 それが、私たちの幸せを大きくしてくれるのですから。


 どんな人生を生きるかは、自分が決めることなのです。
 自分が幸せになることは、この世界を幸せで満たすことに貢献する、いちば
 ん大きなことかも知れませんね。

No.438

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【癒しのことば】Vol.438 2003/7/28       
 総発行部数:14,045部
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 「この世の中は、どうにもならぬと思っている人にはどうにもならないが、
  思う通りになると思っている人には思う通りになる世界なのだ」

              -- 谷口雅春(生長の家・創始者)--

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 太陽は、いつでも輝いています。

 雲に隠れることもありますし、夜になれば暗くなりますが、それは私たちの
 位置からは見えないだけで、太陽が消えてしまったわけではありません。

 荒れ狂う嵐の夜にも、太陽は、ちゃんと雲の上にあるのです。


 私たちは、ツイているときや、気分のいいことに出会ったときには、生きて
 いることが楽しいと思ったりします。
 逆に、辛いときや苦しいとき、失敗したり人に裏切れたりして落ち込んでい
 るときには、とても楽しいと感じることはできませんね。

 でも、本当はどんなときでも、人生を楽しむことができると言ったら、信じ
 られるでしょうか。

 「楽しむ」を辞書で調べてみると、こんなことが書いてあります。
 
 ・心が満ち足りる。
 ・自分の好きなことをして心を満足させる。
 ・食物などが十分にあって快い。
 ・豊かになる。裕福になる。

 つまり、自分の欲しいものが十分にあって、それに満足している状態を指し
 ているようです。

 ですから、もしも、今、この瞬間を「楽しい」と感じることができないとし
 たら、望むものを十分手に入れていないか、それに満足していないからだと
 いうことになりますね。
 
 だとしたら、よっぽど運が良くて、大金を手に入れたり、大きな目標を達成
 したときでないと、人生を「楽しむ」ことは難しいようにも思えます。

 何しろ、欲しいものはいくらでもあるし、今の自分自身や環境にも、探せば
 満足できないところはイッパイなのですから、

 もっとお金が欲しい、やりがいのある仕事がしたい、もう少し背が高かった
 らなぁ、もっと明るい性格になりたい、時間が欲しい、頭が良くなりたい、
 頼れる友だちが欲しい……

 なかなか、人生を「楽しむ」どころではないですよね。

 ……でも、その思いこそが、本当は「楽しむ」ことを妨げているとしたら、
 どうでしょうか。

 今の自分にないもの、できないこと、どうしようもないこと、マイナスなこ
 とばかりを探して見ているから、今を「楽しむ」ことができないのです。
 
 ツイているときや、気分の良いときには、心に余裕ができて、マイナスでは
 なく、プラスのことが見えてくるのでしょうね。

 だから、本当は、欲しいものを十分に手に入れたり、今の自分の満足するか
 ら、「楽しい」のではばくて、そんな状態でいると、心に余裕ができて、見
 えなかったものが見えるようになってくるからなのではないでしょうか。

 「楽しむ」を英語にすると、「Enjoy」となります。
 この単語は、「en(~のなかに入れる)」と「joy(喜び)」からできてい
 ます。

 つまり、「楽しむ」とは、「自分のなかに、喜びを入れる(受け入れる)」
 ということなのですね。

 そう、探してみれば、見ようとする目があれば、この世界には「喜び」が満
 ちあふれています。
 それに気づいて、受け入れることが、本当に「楽しむ」ということなのです
 よね。
 
 まずは、「今、あなたがあたなたとしてこの世界に生きていること」、この
 「喜び」を自分の中に受け入れてみましょう。
 自分のなかの「あるもの」「できること」「これからやっていきたいこと」
 に触れて、そのすばらしさを感じてみましょう。

 この世界は、あなたを応援してくれる「喜び」でいっぱいだということが見
 えてきたでしょう。

 さあ、あとは、思いっきり自分自身を楽しみましょうよ。
 それが、自分が望む人生を手に入れることに繋がるのでしょうね。

 ……そう、太陽は、いつだって輝いているのです。

No.437

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【癒しのことば】Vol.437 2003/7/24       
 総発行部数:14,052部
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 「一日生きることは、一歩進むことでありたい」

                   -- 湯川秀樹(物理学者)--

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 『人から絶対に批判されない方法』ということを聞いたことがあります。

 それは、まず、決して余計なことは口を出さない、でしゃばったまねをしな
 いということだそうです。

 そのためには、何も言わない、何もしないように気をつける。
 しかし、人は、ついつい心が動いて、いらぬことを言ったり、人のためだと
 思って、しなくてもいいことをしてしまう。
 だから、何を見ても何を聞いても、何も感じないようにしなくてはいけませ
 ん。

 さらに、何も言わない、何もしないでは、かえって人から批判されてしまう
 こともあります。
 それを避けるためには、なるべく人の前に出ない、人と関わらないようにし
 ます。

 それだけ気をつけて誰にも会わないようにしていても、どこかに必ず批判し
 てくる連中は存在します。
 
 結局、究極の『人から絶対に批判されない方法』とは、自分がこの世に存在
 すらしないことだということです。

 もちろん、これは、ひとつの逆説で、批判されないために存在しないなど、
 考えるだけでもバカバカしいですね。

 逆にいうと、批判されるのは、自分が生きている証拠ということにもなりま
 す。

 だとしたら批判されるのも楽しくなりますね。

 自分の至らぬ点を教えてくれるばかりではなく、批判されればされるほど、
 自分が自分らしく、いろいろなことを感じたり考えたり、多くの人と関わっ
 ている証拠だと捉えることもできるのですから。


 同じように、『絶対に悩んだり苦しんだりしない方法』というものも考えら
 れるかも知れません。

 批判と同じように、やっぱり私たちは生きているからこそ、悩んだり苦しん
 だりするのですよね。

 何も考えないし感じない、今の自分を変えようとしない、存在すらしないよ
 うにすれば、もう絶対に悩んだり苦しんだりすることはないでしょう。

 だけどね……
 これだって本当にバカバカしいことです。

 悩んだり苦しんだりするのは、私たちが生きている証拠。
 自分らしく生きようとがんばったり、今の自分をもっと良くしていこうとす
 るからこそ、そんな思いをするのですよね。

 そもそも、悩んだり苦しんだりしたことがなければ、喜んだり、楽しんだり、
 満足したり、幸福がどんなものかを知ることもできないではありませんか。

 私たちが、この世界に存在して、今を生きていること。
 それは、自分自身というユニークな世界の旅を、一歩ずつ進んでいくことな
 のでしょう。
 
 どんなことがあったって、生きているということは、本当にすばらしいこと
 なのですよね。

No.436

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【癒しのことば】Vol.436 2003/7/14       
 総発行部数:14,220部
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 「自分の人生は自分で責任をとりなさい。
  するとどうなるか?
  恐ろしいことに、誰のせいにもできなくなる」

      -- エリカ・ジョング(アメリカの作家)--

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 失敗したり、不幸な出来事に出会ったり……
 
 何か問題を抱えてしまったときに、私たちがとる態度には、3つのパターン
 があるようです。

 1つめは、責任を外に求めること。

 自分が被害者になったような気になり、
 「あいつが悪い」
 と、問題の原因を誰かのせいにして、その相手を責めることにエネルギーを
 使います。

 また、社会が悪い、時間がない、お金がない、誰もわかってくれない、過去
 の失敗経験のせいだ、などと、いかに自分が不運かということに思いを巡ら
 せたりする場合もあります。

 2つめは、自分を責めること。

 うまくいかなかったのは、自分の努力が足りなかったとか、ちゃんと準備を
 していなかったからだと、すべての責任は自分にあると思いこみます。

 「なんて、自分はダメなんだろう……」
 「どうせ私は、何をやっても、うまくいかないんだ」
 と自分を追い詰めたり、落ち込んだり。

 自信をなくして、何に対してもやる気持てなくなることもあるようです。

 
 この2つのパターンは、イライラしたり、気分が沈んだりして、あまり健康
 的には思えませんが、実は、大きなメリットもあるのです。

 それは、『自分を変えなくてもいい』ということです。
 ある意味、これはとても楽なのですね。

 不幸の原因が、誰か自分以外の人にあったり、自分のおかれた環境や条件に
 あるのだとすれば、変える必要のあるのは、それらであり、今の自分には何
 の問題もありません。
 
 すべての原因が自分だと考えていても同じです。
 自分はダメだ、と強く思えば思うほど、今さらそんな自分をどうすること
 もできるはずはない、と自分に言い聞かせているようなものなのですから。

 実は、私たちにとって、一番の脅威は、『自分を変えること』なのです。
 意識ではどう思っていようと、本能のレベル、あるいは潜在意識では、変化
 に対して、とても敏感で、かなりの抵抗を感じるのです。

 生き残ることが、最大の関心事である潜在意識では、たとえ今の自分が問題
 だらけだと感じていたとしても、いざとなると今の自分でいることにしがみ
 つくようです。
 
 それが、「良くなるための変化」だとしても、今の自分が変化するとしたら、
 今までと同じように生き残ることができる保証は、どこにもないのですから。

 誰かのせいにしたり自分を責めることは、自分に変化を起こしたり、未知の
 世界へのチャレンジをしなくていい口実になります。
 潜在意識にとっては、安心で楽なことなのですね。


 最後に残った、3つめのパターンは、問題や不幸を、自分の学びのチャンス
 だと捉えることです。

 もちろん、問題が起こった要因は、いろいろあるでしょう。
 あきらかに誰かに非があったり、不運が重なってということも考えられます。

 それでも、責任を外側に求めず、かといって自分を責めることもせずに、起
 こったことに責任を持つことを選んでみるのです。

 すると、どういうことが起こるかというと、自分の人生の責任は、自分でと
 るしかなくなってしまいます。
 
 自分の考え、感情、選択、行動、その結果すべてのおいて、自分に責任があ
 るのですから、何か問題があるとすれば、変えられることは変え、努力する
 べきところは努力するようになるはずです。

 ちょっとしんどいようにも思えますが、結果的には、この3つめのパターン
 が一番健康的で、私たちの役に立つようです。
 今より、もっとすばらしい人生を手に入れるためには、是非とも身につけた
 い態度ですね。

 ……もちろん、無理にはお勧めしませんよ。
 どのパターンを選ぶかの自由と責任は、あなた自身にあるのですから。

No.435

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【癒しのことば】Vol.435 2003/7/10       
 総発行部数:14,231部
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 「人生を恐れてはいけない。人生は生きるに値するものだと信じなさい。
その思いが、事実を作り出す手助けとなるであろう」

      -- ウィリアム・ジェームズ(アメリカの心理学者)--

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 「成功したい」
 「世界が平和であって欲しい」
 「あの人から愛されたい」

 目標や願望を持つことは、すばらしいことですね。
 強く願えば願うほど、叶う率も高くなることでしょう。

 でも、その思いのベクトルが強すぎて、願望に「絶対に~しなくてはならな
 い」がついてしまったとしたらどうでしょうか。

 「絶対に成功しなくてはならない」
 「絶対に世界は、平和でなくてはならない」
 「絶対に、あの人は、私を愛さなくてはならない」

 これでは、心に柔軟性がなくなり、後ろから追い立てられているような気分
 になってしまいます。
 始末の悪いことに、そうした考えを持つようになると、願望が叶わないと、
 もちろん心が痛みますが、たとえ叶ったとしても、本当の満足は感じられな
 くなるようです。

 それもそのはず、世の中に「絶対」というものは存在しないのですから。
 ないものを追い求めても、自分が苦しいだけです。
 それよりは、目標や願望を叶えるために、自分ができることに意識を向けて
 みた方が、心の健康にはよいのではないでしょうか。

 「成功したい。そのために最大の努力しよう」
 「世界が平和であって欲しい。そのために、私ができることをする」
 「あの人から愛されたい。私は、もっと輝けるように自分を磨く」

 今の自分ができることをする。
 これこそ、自分でコントロールできる「ある」ものなのですよね。


 失敗したり問題に出会うのは、辛いことですね。
 できれば、避けて通りたいものです。

 でも、こんなふうにも考えられますよ。

 失敗すればするほど、うまくいかない方法を知ることができる。
 失敗を克服すればするほど、成功への道が開けてくる。
 問題を解決すればするほど、多くのことを学ぶことができる。
 辛い思いを経験すればするほど、人の痛みもわかるようになるし、大きく成
 長することができる。

 それに気づけば、失敗や問題を恐れることはなくなります。
 どんなことに出会おうとも、それを自分を高めるためのチャレンジだと捉え
 ることができるからです。


 人生を変えるのに、多くの時間は必要ありません。
 
 長くて8秒、短くて1秒。
 だいたい3秒もあれば、欲しい未来は手に入ります。

 自分の考え方、ものの見方にちょっと変化を起こしてみればいいのです。
 
 過去がどうであろうとも……
 未来を創るのは、今の自分なのですから。
 そして、どんな未来でも、創り出すことができる自由と責任が、あなたには
 あるのですから。

No.434

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【癒しのことば】Vol.434 2003/7/7       
 総発行部数:14,197部
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 「ただ自分を信ぜよ。
  そうすればどう生きればよいかがわかるだろう」

                  -- ゲーテ(ドイツの文豪)--

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 ヨーロッパに伝わる、中世の騎士道物語『アーサー王伝説』に、こんなお話
 があります。

 ……あるときアーサー王は、邪悪な魔法使いの策略により危機に陥ります。

 「すべての女性が望むことは何か?」
 という命題の答えを見つけださなければ、命を失うことになってしまったの
 です。

 アーサー王は、世界中のあちこちを旅して、出会う女性たちにこの命題を問
 いましたが、なかなか本当の答えらしいものを見つけることができません。

 最後に、やっと答えを知っているという醜い老婆に出会います。
 ところが老婆は、答えを教える代わりに、自分の夫として、若くて立派な騎
 士を望むと言うのです。
 
 アーサー王は、藁をもすがる思いで、老婆と約束を交わし、答えを聞き出す
 ことに成功します。

 こうして、難を逃れたアーサー王ですが、今度は、老婆との約束に心を悩ま
 せることになります。
 
 それを見かねた、円卓の騎士のひとり、ガウェイン卿が、自分が老婆と結婚
 しようと申し出ます。
 まわりの人たちは、この若く美しい騎士の勇気ある決断に同情するしかあり
 ませんでした。

 形ばかりの結婚式がとりおこなわれ、ガウェインと花嫁は、自分たちの部屋
 へ入りました。
 しかし、ガウェインは、ふたりのために用意されたベッドに腰掛け、醜い老
 婆に背を向けたままです。
 いくら王の忠義を守るためとはいえ、自分の運命を呪わずにはいられなかっ
 たのです。

 「わが夫よ、なぜ、私に背を向けるのですか? こちらを見てください」
 そう言われて、しかたなく振り向いたガウェインが見たのは、醜い老婆の姿
 ではなく、世にも美しい若い女性でした。

 「あなたは誰だ? 私の妻は、どこへ行ったのだ?」
 驚いてガウェインは、叫びました。

 「私があなたの妻です。これが私の本当の姿なんです」
 女性が言うには、自分は悪い魔法使いによって老婆の姿にさせられていて、
 望みのひとつである立派な騎士と結婚することが叶ったので、元に戻ったの
 だということです。

 「でも、もうひとつの望みがかなうまでは、昼か夜か、どちらか半分の時間
  しか、この美しい姿ではいられません。夫であるあなたに決めて欲しいの
  です。人々に笑われながらも、楽しみのために夜だけ美しい姿でいる方が
  いいのか、夜は楽しくなくても、人々と楽しく過ごすために昼だけ若い女
  性でいるのか」
  
 ガウェインは、迷わずこう言いました。
 「決めるのは君だ。自分の望むようにするがいい」

 それを聞くと、若い女性は、目に涙を浮かべて言いました。
 「ありがとうございます。もう私は、昼も夜も、老婆の姿に戻ることはあり
  ません。魔法はすべてとけたのです。たった今、ふたつ目の願いが叶った
  のですから」


 そう、彼女のふたつ目の望みとは、「自分の意志で決めること」だったので
 すね。
 そして、もちろん、アーサー王が見つけた、すべての女性が望むことも、同
 じ「自分の意志で決めること」ということだったのです。

 ガウェインは、「決めるのは君だ。君には、それだけの力があるのだ」とい
 うことばで、魔法にかかった女性に、本当の自分に目覚める力を与えました。

 人任せではなく、自分の力で選択する自由を得たとき、見えてくるすばらし
 いものがあるのでしょう。
 これは女性だけでなくて、すべての人に言えることなのですね。


 毎日が虚しい、自分が何をしたらいいのかわからない、今の自分ではいけな
 いと思ってしまう……

 そんな魔法にかかっている人がいたとしたら、自分を信じることからはじめ
 てみましょう。

 円卓の騎士がいなくても、あなたには、ずっと自分の道は自分で決めるため
 の力があるのですから。

No.433

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【癒しのことば】Vol.433 2003/7/3       
 総発行部数:14,173部
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※古今東西の名言から、ストレスを和らげ心を癒すことばをお届けします。
                         毎週 月・木曜日配信
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 「苦痛は人間の偉大な教師である。
  苦痛の息吹のもとで、魂は発育する」

         -- エッシェンバッハ(オーストラリアの作家)--

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 何もない乗っていないテーブルがあります。
 その上に本を一冊乗せてみます。
 本を取って、本棚にしまうと、また前と同じように、テーブルの上には何も
 なくなります。

 誰かが、その机を見るとやっぱり何も乗っていないテーブルです。

 ところが、本が置いてあったことを知っている人には、ちょっと違って見え
 てしまうかも知れません。

 「何も乗っていないテーブル」
 ではなく、
 「さっきまで本が乗っていたけど、今は何もないテーブル」
 と。

 財布のなかに千円入っています。
 レストランでランチを食べたので、財布が空っぽになってしまいました。

 その財布を開けてみれば、何となく寂しく感じられてくるようです。

 「ただの、からっぽの財布」
 には見えず、
 「さっきまで千円入っていたけれど、今は空っぽになってしまった財布」
 だと思ってしまうでしょうから。


 苦しいこと、辛いことに出会います。
 失敗をしてしまったり、逆境に襲われたりします。

 でも……

 逃げずに立ち向かおうと自分で決めることができます。
 押しつぶされそうになっても、前に進んでいくことを選び取ることもできる
 のです。
 それだけの力は、必ず自分のなかにあるはずです。
 
 そして、苦痛を乗り越えた自分は、前の自分とは違います。

 たとえ、見かけは変わらなくても、私たちは知っています。
 ひとつ大きく成長した自分だと。

 魂の目から見れば、本当にすばらしいことなんだと。
 
 ……必要なときにこそ、苦痛は与えられるものなのですね。

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