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【癒しのことば】Vol.176 2001/2/28
総発行部数:5206部
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※古今東西の名言から、ストレスを和らげ心を癒すことばを月~土の毎日お届
けします。
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「物事を思いだす術を学ぶより大事なのは、頭のなかにひしめいている物事
を忘れる方法をみつけることだ。
ポケットをからっぽにするように、覚えていたくない記憶を消し、意識を
からっぽにしよう」
-- エリック・バタワース(アメリカの牧師)--
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彼は、英語が大の苦手でした。
読んだり書いたりするのはもちろん、高校に入ってもPenやBookとい
った簡単な単語すら覚えられません。
それどころか、ときにはアルファベットさえ満足に思いだせないこともある
のです。
英語の授業は、彼にとっては苦痛以外のなにものでもありませんでした。
勉強しようという気持ちはあるのですが、なぜか英語のことを考えるだけで、
気分が悪くなったり、頭が真っ白になってしまいます。
といっても彼は、けっして勉強が嫌いなわけではありません。
数学や化学などは、学校でもトップに近い成績でしたし、将来はある難易度
の高い大学へ行って機械工学を専攻したいという目標も持っていたのです。
受験期を迎えた彼は、何とか英語を克服しようと、いろいろな努力をしてみ
ますが、どうしてもうまくいきません。
ついに彼は、わらをも掴む思いで、ある心理療法を受けてみることにしまし
た。
それは誘導催眠によって、記憶を過去に遡り、問題の原因を調査しようとい
うものでした。
すると、その過程で、彼自身はすっかり忘れてしまったいたひとつの出来事
が原因になっていることがわかってきたのです。
それは、彼が中学生になったばかりの頃、はじめてのテストで、英語とロー
マ字を勘違いして、NoteをNoto、DeskをDesukuなどと書
いてしまったことがあったのです。
学校でも恥ずかしい思いをしましたが、その答案用紙を見た彼の母親が、
「こんな間違いをするなんて。お前はバカじゃないの!」
とキツく叱ったのです。
彼は、そのことばに深く傷ついて、とてもつらい思いをしたのでした。
その事件は、彼の記憶からは薄れていきましたが、そのときの傷ついた感情
は消えることなく、英語を見たり聞いたりするたびに蘇り、英語を学ぶこと
を妨げていたようです。
また、そのなかで、別のことも判明したのです。
彼は、自分の母親を顔を見たくもないほど嫌っていましたが、それもこのと
きの出来事が原因だったのでした……
私たちは、自分が経験したいろいろな出来事を、そのときの感情と一緒に、
頭のなかのポケットに入れていきます。
そして後で整理をして、いつでも必要なときに取り出せるように、ちゃんと
頭のなかの引き出しにしまうのです。
でも、嫌なこと、つらいことは、ポケットの奥深くに突っ込んで、見えない
ようにしようとするようです。
だけど、いくら忘れようとしても、それはいつまでもそこにあって、私たち
にその存在を思いだしてもらおうと、いろいろなメッセージを送ってきます。
それが私たちを苦しめる問題の原因になっていることが多いようですね。
過去のいらない経験や感情は、その存在や意味を味わってみたら、もういつ
までも持ち続ける必要はありません。
自分が身軽になるために、そのものたちを手放して自由にしてあげましょう。
そして、ポケットをからっぽにして、私たちが出会うワクワクする経験を入れ
るスペースをどんどん大きくしていきましょうね。