No.631 デール・カーネギー
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「自分の欠点ばかり気になり出したら、そんな劣等感を直してくれる人間はこの世に一人しかいない。つまりあなた自身だ」
– デール・カーネギー(アメリカの文筆家)–
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オーストリアで、こんな出来事がありました。
ある高校で劇をすることになりましたが、登場人物のひとりに吃音の少年がいたのです。
ちょうどその高校には、吃音の少年がいて、その役をやってみようということになりました。
実は、彼は密かに役者を目指していて、演劇の勉強をしていました。
晴れの舞台で、喝采を浴びることを夢見て、勇んで稽古をはじめましたのですが、考えられないようなことが起こってしまったのです。
一生懸命に吃音の役を演じようとすればするほど、なぜかセリフがすらすらと言えてしまいます。
あせって、ことばを詰まらせようとしても、どうしてもダメなのです。
結局、その役は、他の少年が演じることになったということです。
……この話を聞いた、オーストラリアの精神科医ヴィクトル・フランクルは、自分の患者に応用してみることにしました。
つまり、不安症で悩む人には、意識的に不安を感じてもらうようにしてみます。
すると、吃音の少年のときと同じように、不安感に襲われることがなかったのです。
また、不眠症の人には、眠ろうと努力するよりも、ずっと起きておくように指導してみました。
すると患者は、逆にすぐに寝てしまったりするのでした。
フランクルは、これを「逆説志向療法」と名づけ、数多くの成果を残しています。
場合によっては、問題を解決しようと努力するよりも、あえて問題を受け取ってしまうことが、良い結果になることがあるようですね。
もちろん、私たちが抱える問題のなかには、努力を重ねて解決することが重要なこともあるでしょう。
苦しんで苦しんで、何とか乗り越えて、そこから何かを学んで成長していくことができるのです。
でも、がんばればがんばるほど苦しくなったり、解決しようとすればするほど、余計に拗れてしまうような問題ならば、いっそのことそれを認めて受け容れてみるのもいいかも知れません。
……自分の欠点も、そんなことのひとつなのではないでしょうか。
どうしても嫌いで、何とか矯正したいと思える欠点もあるでしょう。
「これができない」「あれが足りない」と、欠けているところばかりが目に付くこともあるでしょう。
それを直そうと、一生懸命にがんばるのもいいでしょう。
だけど、いつまでたってもカラ回りばかりしていて、疲れてしまうとしたら、もう、それを受け容れてみてもいかがでしょうか。
ヘレン・ケラーは、自分が抱えた三重苦を何とかしようと嘆くことはせずに、受け容れました。
その代わりに、障害を持つ人だけが知ることができる痛みと望み、そして、自分の高貴な志をフルに活かして、多くの人を励まし続けたのです。
自分の嫌なところが気になって落ち込んでしまう。
どうしても、人より劣っているように思えてしまう。
自分のダメなところばかりが見えてしまう。
それは、ちゃんと見ていないからですよ。
ほら、あなたには、もっともっとすばらしいところがあるでしょう。
それを活かして、本当にやっていきたいことがあるでしょう。
欠点と格闘することをやめて、受け容れてみましょうよ。
そうすれば、それは欠点ではなくて、すばらしい個性になるのですよね。
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2005年03月08日
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