No.795 岩本泰波
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「『思いこみの強さ』と、
『信じることの深さ』とは、まったく別のことである」
– 岩本泰波(宗教学者)–
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柱の角に足の小指をぶつけたときは、思わず、
『痛い!』
と叫んでしまいますね。
別に叫んだからといって、小指の痛みがどうなるものでもないとは思うのですが……
いえいえ、口に出して『痛い!』とか『痛て!』などと言うと、本当に少し痛みが和らぐのです。
信じられないのでしたら、今度、どこかを強くぶつけたときに、何も言わずにじっと我慢してみてください。
きっと、いつもより痛みがじわじわ広がってくるはずですよ。
そして、その後、『痛い!』と言ってみると、急に痛みが少し収まったような気がするはずです。
暑くて暑くてたまらないときにも、思わず『暑い』と口に出してしまいますよね。
これも同じ原理で、『暑い、暑い』と言うと、確かにちょっとだけ暑さがどこかへ出て行くように思えます。
こんなふうに人間は、自分の痛みや感情を誰かに話すことで、抱えていたものを分散できるようになっているのかも知れません。
実は、人間のほとんどの悲劇は、自分の内側に痛みや強い感情、苦しみや疑惑などを押さえつけているところからはじまっているのです。
たとえば、シェークスピアの四大悲劇のひとつ『オセロ』でもそうです。
オセロは妻の貞操への疑いを耳打ちされ、その疑惑は誰にも相談することができず、どんどん大きく膨らみ、やがては強迫観念となっていきます。
その強迫観念に苦しめられ続けたオセロは、とうとう何の罪もない妻を殺害してしまい、自らも命を絶つことになってしまうのです。
もしもオセロが、妻に、ことの真相を尋ねてみていたら……
誰かに悩みを打ち明けることができていたら……
きっと、この悲劇は起こることもなかったでしょうね。
人は、人と自分の苦しみを分かちあうことによって、もっと幅広い観点で見ることができるようです。
自分ひとりで、見えない不安と戦っているという思いも消し去ることもできるのです。
悩みや問題を抱えているときの、いちばん良い解決策は、とにかく誰かに話してみるということなのでしょう。
正しい答えは返ってこないかも知れません。
良いアドバイスもないかも知れません。
でも、少なくとも、内側に潜んでいた黒いエネルギーは、外に吐き出すことはできるはずです。
そのエネルギーの塊が、どんどんと育っていくことを防ぐことはできるはずです。
暑いときには、『暑い!』と言ってみればよいのですよ。
苦しみ、疑念、怒り、悲しみ。
そんないらないエネルギーは、さっさと追い出して、自分のなかをキレイにしましょう。
空いたスペースには……
もちろん、『自分を信じる』という光のエネルギーでいっぱいにするのですよ。
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2007年09月10日
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