No.664 夏川りみ
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「急いで行けば短い命
のんびり行けば長い道のり」
– 夏川りみ(『愛よ愛よ』作詞:宮沢和史)–
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禅の寓話に、次のようなものがあります。
……ある旅人が、荒野で虎に襲われ逃げ出します。
彼は、とうとう切り立った崖の下に追いつめられ、必死の思いで垂れ下がった藤のつるにしがみつき、よじ登りました。
見ると虎は、もう真下に迫ってきていて鋭い牙を剥きだしています。
さらに上を見上げてみると、そこには黒と白の2匹のネズミがいて、彼が掴まっている藤のつるを齧っているのです。
藤のつるは、今にも千切れてしまいそうで、彼は、生きた心地もしません。
ふと前を見ると、崖の途中に、野いちごが実っているのが目に入りました。
彼は、片手を伸ばして、野いちごをひとつ摘み取り、口のなかに入れてみました。
すると、その瞬間、口のなかにすばらしい甘みが広がり、何ともいえない幸せを感じたのでした……
これは寓話ですから、虎は、「過去」、2匹のネズミは、「未来」、そして、目の前の野いちごは、「現在(のよろこび)」を指すものだと思われます。
実際に、このような状況に陥ったとしたら、野いちごの甘さを楽しめるかどうかは微妙ですね。
でも、考えてみれば、私たちの人生だって、同じようなものだと言えるのではないでしょうか。
過去を振り返ってみれば、辛い経験や失敗の数々、ついやってしまった恥ずかしいこともたくさんあるでしょう。
未来にも、いつ事故に遭ったり大病を患うかも知れませんし、災害や失業等、どんな不運な出来事に見舞われるかもわかりません。
あるいは、過去の幸せをいつまでも忘れられなかったり、未来の幸せのイメージばかりを追い続けていることもあるでしょう。
そんなふうに、過去や未来に意識をとられていては、とても、現在を噛み締めて楽しむどころではないでしょう。
だけど、人生で大切なことは、過去や未来ではなく、いつだって今にあるのですよね。
未来に、こうなれば幸せになれるというイメージを持っている人や、足を引っ張る過去を引きずっている人は多くても、現在、目の前にあるよろこびを味わっている人は少ないのではないでしょうか。
幸せを手に入れるためには、もっともっと今を楽しんでみましょう。
……と、頭ではわかっているつもりでも、いざ、現実を見てみると、なかなかそう簡単にはいかないようですね。
仕事や勉強、家事に忙しくて、とても、ゆっくりと今を楽しむ時間などないし、周囲には、足を引っ張る人々で満ち溢れている。
さらには、さまざまな悩みに心を煩わされていますし、心配事も一杯です。
でも、そんな現実を創りだしているのは、自分自身なのかも知れませんよ。
どうして、今を楽しめない、よろこびを十分に味わえないような状態にいるのでしょうか。
答えは人によって違うでしょうが、自分は、「幸せになる価値がないんだ」と思い込んでいる方も多いようですよ。
これは、自分が勝手に決め付けているだけで、私たちすべての人たちは、それぞれの幸せを楽しむために、この世界に生まれてきているのです。
そして、思い込みや信じ込みを変える力は、私たち自身のなかにあります。
それが現実を変えていく力だし、自分自身でいる力、今を楽しむための力でもあるのです。
「過去」や「未来」ではなく、今、ここ、「現在」を見てみましょう。
目の前にあるものを楽しむ選択をしてみましょう。
明日からではなく、今、すぐはじめるのですよ。
さあ、「過去」がどれほど輝きだし、どんなに明るい「未来」が開けていくのか楽しみですね。
もちろん、「現在」、あなたの前には、よろこびの道が広がっていますよね。
のんびりと行きましょうよ。
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2005年09月05日
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