No.569 ヘレン・ケラー
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「あなたの顔を光に向けていなさい。
そうすれば影は見えません。
いつも真理に目を向けていなさい。
そうすれば、あなたの心から不安、心配は消えるでしょう」
– ヘレン・ケラー(アメリカの社会福祉事業家)–
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元気に働くためには、充分な休養をとる必要があります。
人に優しくなるには、誰かに傷つけられた経験が、大きな意味を持つようです。
太陽の暖かさに心からありがたく感じるのは、厳しい冬を乗り越えたからなのでしょう。
光の方を向いていれば、自分の影を見ることはありません。これは確かなことですね。
でも、光があれば、必ず後ろには影ができます。
いくら見えなくても、影は存在するのです。
心理学者ユングの説によると、人間の心にも影(シャドウ)があって、それは、意識で思っている「自分」から切り捨てられた部分だということです。
そこには、『これは本当の自分ではない』と思っていることや、『こんなことをしてはいけない』『これは間違っている』などと判断していることも含まれます。
つまりは、自分があまり見たくないものや秘密の部分、あるいは恐れているものを押し込んでいるとも考えることができますね。
だから、私たちは、影を隠したり否定しようとします。
しかし、苦しいことがあるときや、悩んでいたり落ち込んでいるときには、どうしても自分の影が気になってしまいます。
見ないふりをしていても、どうしても目についてしまうのです。
……なぜなら、そんなときこそ、私たちが影を必要としているときなのですから。
ユングは、影に関して、必ずしも否定すべきものではなくて、自分を理解するための力にもなると言っています。
影は、自分を形成していく過程で脇へやられた、別の可能性のひとつひとつでもあるのですから、それをうまく受け容れることができれば、さらに大きく成長していくこともできるのです。
たとえば、「人間は、いつも努力していなくてはならない」という信念を持っている人は、過去に、自分の「怠け心」や「楽をしようという心」を否定し、影の部分に押しやったのかも知れません。
そんな人でも、疲れてしまって、ふと気をゆるめて休みたいと思うこともあるでしょう。
すると、影から「ゆっくりしたい心」が、目の前に現れてくることになります。
もし、それを恐れたり否定して、目を背けることもできます。
影を見ないように、無理に光の方へ顔を向けることだってできるでしょう。
だけど、それはとても苦しいことになるでしょう。
無理やり、光ばかりを見ていれば、いつかは、心も身体も疲れきってしまって、努力することもできなくなってしまうのです。
影を受け容れてみたらどうでしょうか。
……ずっとがんばってきたのだから、疲れたとき、迷ったときには、少しゆっくりしてもいいんだよ。
影は、そんなことを教えてくれているのかも知れません。
少しだけ休んでみれば、心に余裕も生まれて、前よりもっと努力を重ねることができるようになったりします。
同じ努力をするのでも、ときに気を抜いて心身をリフレッシュすることができれば、本当に必要なときに、大きな力を発揮することもできるでしょう。
自分のイヤなところ、見たくない部分が見えてきたとき……
そんな影から逃げないで、抱きしめてあげましょうよ。
それも、間違いなく自分の一部なのですから。
本当の強さとは、自分の光も影も受け容れることができることを言うのでしょう。
だって、影は、光に向かって進んでいくために、自分自身を生きるために、ずっとあなたと一緒にいたのですから。
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2004年10月27日
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