「2004年8月」のアーカイブ

No.529 スティーブンソン

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 「いつも楽しく暮らすよう心がければ、
  外的環境から完全に、あるいはほとんど解放される」

             – スティーブンソン(イギリスの小説家)–

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昔、昔、中国でのこと。

国境の塞(とりで)近くに住んでいた老人の馬が、どこかへ逃げていってしまうという事件がありました。 
老人は、その馬をとても大事にしていたのです。

近所の人々は、「残念でしたね」「不幸な目に遭われて、大変ですね」などと口々に慰めのことばをかけましたが、老人は、「いいや、これは良いことになるかも知れない」と、平然としています。

なるほど老人が言ったとおり、しばらくすると馬が戻ってきました。
それも、別の立派な馬を何頭も、一緒に連れてきたのです。

人々は、「これは、本当に良いことになりましたね」と祝福しました。

ところが、今度は老人は苦笑しながら言います。
「いや、これは悪いことになるかも知れんな」

案の定、新しい馬を気に入って乗っていた老人の息子が、落馬して、足の骨を折る大ケガをしてしまいました。

近所の人たちは、「とんだ災難に遭われましたな」と、お見舞いに集まりますが、老人は、「いや、これは福になるに違いない」と答えます。

やがてその地方に戦争が起こり、老人の周りの若者たちは、兵隊として駆り出され、多くの者が命を失うことになりました。
 
老人の息子だけが、足のケガのおかげで戦場へいくことを免れ、命が助かったということです。

……これは、ご存知「人間万事塞翁が馬」という故事成語の元になったお話で、『淮南子』に載っているものです。

良いと思ったことが、不幸に結果になり、災難に思えたことが幸運にもなる。
人生は、このように予測がつかず、一筋縄ではいかないということを教えてくれているようですね。

というよりは、生きていくうえでは、さまざまな出来事に出会いますが、それに対して勝手に、「良いこと」「悪いこと」と判断して、一喜一憂している私たちを戒めているというのが本当なのかも知れません。

「出来事」はあくまでも、ただの「出来事」に過ぎず、良くも悪くもないのに、人それぞれ勝手に判断して、喜んだり、悲しんだりしているのです。

自分で勝手に作り上げた、ありもしない「幸福な出来事」「不幸な出来事」に振り回されてしまっているのですね。

たとえば、2つの選択肢があって、どちらかを選ばなければならない状況になったとします。

私たちは、選んだ方の結果を見て、「うまくいった」「失敗だった」と判断しますが、これだって、やっぱり自分で勝手に判断しているのかも知れません。

参考までに、どちらを選んでも「失敗」になる方法を、お教えしましょうか。

それは、自分の選んだ方の結果よりも、選ばなかった方ばかりを気にしたり、執着したりするというものです。

たとえ、選んだ方の結果が、満足いくものであっても、とてもダメだと思っていたとしても同じです。

もし、もうひとつの選択肢を選んでいたら、もっといい結果になっていただろう、と思うのなら、自分の選んだ方は失敗になってしまいます。
 
仮に、別の方を選んでいたら、もっと惨めな結果に終わるとわかったとしても、それを気にして「選ばなくて良かった」「選んでいたら大変だったろうな」などと気にするのなら、それだって「失敗」になる可能性があります。

だって、そんなことが気になるということは、「今回は、たまたまうまくいったけれど、次はどうなるかわからないぞ……」、と自分を脅しているようなものなのですから。

これでは、どんな結果でも、とても楽しめるものではありません。

では、どちらを選んでも「うまくいく」方法も、お伝えしましょうね。
もうおわかりの方も多いと思いますが、「自分が選んだことを尊重し、責任を持つ」ということです。

「責任を持つ」とは、ちょっと大げさですが、つまり自分が選んだことを、誰かや何かのせいにせずに、結果をそのまま受け止めるということです。

結果が、満足いくことならば、ただそれを充分楽しめばいいのですし、あまり納得のいかないものだったとしたら、そこから気づくことや学べることをしっかりと見つけ、次のチャンスに生かしていけばいいのです。
 
「もし、~だったら……」そんなことは気にして、時間を無駄にしなくてもいいのです。
 
「幸せな出来事が起こらないと幸福になれない」、そんなこともありません。

人間万事塞翁が馬
どんな出来事で出会おうとも、どんな環境にいようとも、自分が楽しく生きようと選んだのなら……
 
今までも、そしてこれからも、私たちは、いつも最高に幸せだったし、本当に楽しく生きることができるのですよね。

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プロフィール
大阪在住のライターです。
メルマガや超短編なども書いています。
慢性腎不全のため減塩生活中……

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