No.441 遠藤周作
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「人間はみんなが美しくて強い存在だとは限らないよ。
生まれつき臆病な人もいる。
弱い性格の人もいる。
メソメソした心の持ち主もいる。
けれどもね、そんな弱い、臆病な男が自分の弱さを背負いながら一生懸命美しく生きようとするのは立派だよ」
– 遠藤周作(作家)–
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電車に乗るときには、座れれば本を読むことが多いですが、立ったままのときは、まわりの迷惑にならないように気をつかいながら音楽を聴いたりします。
先日も、席がなかったので、ドアの窓から外の景色を眺めながら音楽でも楽しもうと、CDウォークマンを取り出しました。
ところが、スイッチを入れても、音が全く聞こえないのです。
電源は入っていますし、中でCDが回っているのは確認できるのですが、ボリュームを最大にしても、ウンともスンとも鳴りません。
「故障か?」
私は、音楽が聴けないことにちょっとイライラして、CDウォークマンを叩いてみたり、一度電源を切ってみたり、CDを出したり入れたりしてみました。
しかし、全く音が鳴り出す気配はありません。
「何だこの機械は! 買ったばかりなのに、使い物にならないダメな奴だ!」
だんだん腹が立ってきて、そんな思いがこみ上げてきました。
そのあと、故障なら取り替えてもらおうと、買った店に持っていったのですが、そこでちょっと恥ずかしい思いをしてしまいました。
調べてもらったところ、CDウォークマン本体の故障ではなく、ヘッドホンの電線が切れていたということがわかったのです。
それも、たぶん私の使い方が悪く、線を持って抜いたり差したりを何度も繰り返したのが原因のようです。
そんなに大げさに考えることではなかったかも知れませんが、ちょっとした反省とともに、大きな気づきもありました。
CDウォークマンには何も問題はなかったのに、ダメだと決めつけてしまいました。
ヘッドホンが原因でしたが、それは、私がちゃんとした使い方をしなかったからです。
私だって、こんなに簡単に断線するとは思ってもいなかったので、ついついやってしまったことだと言えます。
今後は気をつけますので、二度と同じ問題は起こらないでしょう。
この件は、すぐにヘッドホンが原因だとわかったので、よかったのですが、原因が簡単にみつからなかったとしたら、CDウォークマンを取り替えてしまったかも知れません。
あれはダメだったと思いながら……
これはまだ機械だからいいのですが、私が気づいたのは、ひょっとしたら自分に対しても同じことをしていたのではないか、ということです。
失敗したり、思うような成果を出せなかったり……
あるいは、誰かと比較して、自分にはここが足りない、ここが至らない、などと思ったことは、誰にもあるでしょう。
そんなときは、自分をダメだと決めつけ、自分ではいけないと信じたのかも知れません。
そのたびに、自分自身を小さく限定してきたのではないでしょうか。
そんなことを、ふと思いました。
「私は、今の自分でOKなんだ」
これは、心が疲れたとき、元気がでるおまじないのことばです。
本当は、過去にどんなことがあったとしても私たちは、どこもダメではなかったし、何も足りないことはなかったのです。
ただ、自分というものを、ちゃんと正しく使っていなかっただけなのでしょう。
その証拠に、「自分らしく生きよう」「自分はこれでいいのだ」と思ったとたん、心が楽になってくるのではないでしょうか。
自分を受け入れてみれば、「自分はこうでなくてはならない」といつしか思いこんでいた生き方も変わってくることでしょう。
機械も自分自身も、よく知って、正しく使うことが大切ですね。
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2003年08月18日
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