No.798 ウィリアム・ジェニングス・ブライアン

No.798 ウィリアム・ジェニングス・ブライアン

西尾和美の アダルトチルドレン 癒しと回復のためのセルフスタディキット

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「運命は偶然ではない。選択したものである。
手をつかねて待つべきものではなく、達成するべきものである」

– ウィリアム・ジェニングス・ブライアン –

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以前、こんなショートストーリーを書こうかと考えていたことがあります。

……近未来のある国。
その街の人々は、便利な機械に囲まれて暮らしていました。

掃除、洗濯、料理などはもちろん、朝起きて顔を洗うのも、服を着替えるのもすべて機械がやってくれます。

ベルトコンベア式の道で通勤通学をし、学校へ行けばコンピュータが勉強を教えてくれ、仕事もほとんどがロボットがこなしているのです。

発電するのも機械、新しい機械を造るのも機械。
もはや人々の生活は、機会なしでは成り立たなくなっていたのでした。

あるとき、ひとりの学者がこんな論文を発表します。

「我々は、日常的に機械を使いこなしているが、動力となる電気について詳しいことがわかっているわけではない。

電気が流れるという原理は研究されているが、そもそもなぜ電気が存在るのかは解明されていない。
さらに、地球環境がこれだけ変化した今後も同じように電流が起こるのかは、まったく予測不能だ」

それがマスコミで報じられてから、人々は、言いようのない不安感に包まれてしまいます。

「ひょっとしたら、電気がなくなってしまうかも知れない」
「機械が動かなくなったらどうしよう」
「自分の力で何かをしなくてはならないなんて考えただけでも絶望的だ」

人々は、機械のスイッチを入れるたびに、反応しないかもという恐怖に晒されます。
電気があって当たり前という自信がまったくなくなってしまったのです。

とうとう恐れていたことが起こります。

発電設備の故障で、街への電力の供給が、一時的にストップしてしまったのです。

それはほんの少しの間のことだったのですが、スイッチを入れても動作しない機会やコンピュータを前に、人々は驚きショックを受けます。
それがトラウマになり、二度と機械のスイッチに触れることができなくなる 人も続出。

街には混乱と絶望が渦巻きます。

そんななか、一部の人々は、街から抜け出す決意をしました。
何もかも機械に頼りすぎていた生活を反省して、自分たちだけの力で生きていこうとしたのです。

それに同調する人が続出し、せっかくの超高度な設備を持ちながら、不安と恐怖が渦巻く街を捨て、人々は荒野へと逃げ出します。

今まで、すべてを機械にまかせていたのですから、まったくゼロからのスタートです。
石を削り、動物を狩り、地を耕す、というところからはじめなければなりません、それでも人々は逞しく生き残っていきました。

それから、数千年。

鉄器文明の初期に達した人々は、もっと豊かな地を求め、大冒険をはじめま す。
そして、忘れられた街にたどり着いたのです。

伝説に語り継がれてきた機械に囲まれた街。
人々は、はじめてみる光景に圧倒されます。

近くの建物に入ると、なかは真っ暗ですが、かすかに壁にボタンのようなものが見え、こう書かれています。
「このスイッチを押すと、灯りがつきます」

ひとりの男が、躊躇なくスイッチに手をかけました。

その瞬間、建物中が明るくなり、にぎやかな音楽が流れてきたのでした。

.
…..書こう、書こう、と思いながら今まで書けないでいたのは、この話が、自信をなくしたときの自分を映し出しているからなのかも知れません。

すべては、ここにあるのに、ただスイッチを押せないだけの……

運命は、自らの手で切り開かねば。



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2007年10月01日 コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |

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プロフィール
大阪在住のライターです。
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