No.768 関野直行
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「あなたは知っている、今のあなたに何が必要か。
次の一歩を、どの方向に踏み出せば良いのかを」
– 関野直行(文筆家・セラピスト)–
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もうずいぶん昔の話ですが、私はパチンコに凝っていて、仕事が休みになると打ちに行っていたときがありました。
いつも勝つ気満々でパチンコ屋さんに向かうのですが、たいていは大きく負けて悔しい思いをして帰ってきていました。
当時はまだ社会に出てすぐのころで、給料も安く、いつも小遣いが足りなくて困っている頃です。
何とかして勝ちたいものだと、毎日、悶々としていたのでした。
そんなとき、顔見知りになったパチンコ屋さん常連のひとりから、
「パチンコで絶対に負けない方法を教えてやるから、酒でもおごれ」
と声をかけられたのです。
私は、もちろん、よろこんで彼に食事とお酒をご馳走しました。
それで、パチンコに勝てるのなら、お安いものです。
たらふく食べて好きなだけ飲み、さんざん待たせたあとで、彼はやっと口を開きました。
「絶対にパチンコに負けない方法はな……」
私はわくわくしながら、その続きを待ちます。
「……それは、パチンコをしないことだ」
身を乗り出して聞いていた私は、その瞬間、ガクッとずっこけてしまいました。
そのときは、「まんまと騙された」と思い、腹が立って仕方がありませんでした。
でも、今考えると、彼は、とても価値があることを教えてくれたようです。
なぜなら、その日から、私は一度もパチンコに負けてはいません。
つまり、パチンコを打つのを止めてしまったのでした。
当然、パチンコで負けて悔しくて眠れないなどということもなくなったのです。
考えてみれば、パチンコで負けたといって苦しんでいたのは、「何とかして勝ちたい」と期待したり、「小遣いを増やさなければならない」などと勝手に決めていたからだったようです。
つまりパチンコで負けたことが、苦しみの原因ではなくて、そこにかけていた『期待』や『決めつけ』こそが、本当の原因だったのです。
パチンコと人生の問題を同じようなものだというつもりはありませんが、その基本的な構造は似たようなものかも知れません。
「これが問題だ」
「これさえなかったら……」
などと思っているものは、案外、問題の本質ではなくて、それに対しての自分の思い込みこそが、問題だということも多いのです。
たとえば、「子供が、全然、言うことを聞かない」という問題を感じているのなら、「子供が言うことを聞かない」という事象の前に、
「子供は、親の言うことを聞くものだ」
「子供は、もっと素直であるべきだ」
といった思い込みがあるからなのでしょう。
ちょっと自分の子供の頃を振り返ってみればわかると思いますが、子供は、親の言うことなど聞かないものです。
自分勝手で、嫌なことはしたくないと思っているのです。
逆に、何でもハイハイと素直に言うことを聞いている子供がいたら、ちょっとおかしいですね。
もしそんな子供がいたとしたら、親に怒られるのがいやだから、とか、親の前でだけ素直にしていれば、何も言われないから、といった計算をしていることもあるでしょうし、自分を強く抑えつけているのかも知れません。
それはそれで、いずれバランスが崩れてしまうことになるでしょうから、よけいに問題がこじれてしまう可能性があります。
それよりも、子供に掛けていた期待や思い込みを手放し、「子供は自分勝手なものだ」ということを受け入れた方が、ずっと気が楽になります。
そして、今まで感じていた問題は、もう問題ではなくなってしまうのです。
もちろん、いくら子供が自分勝手だからといっても、まったく野放しにしているわけにはいきませんので、それは、子供と話し合って守ったほうがいい約束などを決めることもできます。
その方が、頭ごなしに決め付けられるよりは、子供にとっても受け入れやすいでしょう。
少し話が逸れてしまいましたが、究極の問題解決法は、「問題を解決しようとしない」ことなのです。
問題や悩みがあると、ついつい私たちは、それを解決しようと一生懸命になってしまいます。
でも、公式1「どうにもならないものは、どうにもならないと受け入れる」を思い出してみるのです。
それはそんなものだし、その人は、そんなことをする人なのです。
自分の思いを変えれば、問題が問題でなくなります。
そして、その分のエネルギーを、自分に課せられた本当の課題に振り向けることができるのです。
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2007年05月10日 コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |
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