No.745 カルロス・カスタネダ
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「そして、それまでの生き方は生きるに値せんと悟った……
だから、そいつを変えたのさ」
– カルロス・カスタネダ(アメリカの人類学者)–
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墨だけですべてを描く、水墨画。
黒い墨の濃淡だけなのに、深く壮大な世界を表現できることに驚かされます。
その水墨画では、墨で描いた部分も大切ですが、余白の方がもっと大切な要素だと聞いたことがあります。
描いてあるものを表現するためには、描いていない部分こそが重要になるこ ともあるのですね。
それで思い出したのが、「パレートの法則」と呼ばれるもの。
これは経済学における経験則のようなもので、あらゆる現象の重要性は、平均的になるのではなく、一部に偏る傾向があるというものです。
よく言われる、ある会社であつかう商品のうち、20%の商品の売り上げが、全体の80%を占める、といった分析も、パレートの法則を応用したものです。
上位20%のお客さんが、全体の売り上げの80%を占めるというのもそうですね。
これは経済活動だけに言えるのではなくて、自然現象や社会現象についても同じようなことが起こるということです。
ただし、これは、単純に主要な20%のみが、全体の80%もの重要性を持っているとは言えるわけではありません。
20%だけが重要で、残りの80%は重要ではないとは限らないのですね。
水墨画のことを考えてみてください。
墨が付けられている部分が、ピッタリ全体の20%を占めるかどうかはわかりませんが、余白の80%だって大切でしたよね。
アリに関しても似たような研究があります。
いつも、せっせと忙しそうに動き回っているアリたちですが、よく観察してみると、まじめにエサを運んでいるのは、だいたい全体のアリの20%しかいないそうです。
残りの80%のアリは、ただ、意味もなく歩き回っていて、遊んでいるとしか思えないというのです。
それでは、というので、研究者が、よく働く20%のアリばかりを集めて、新しい集団を作ってみました。
これはさぞかし勤勉で効率のいい組織になることでしょう。
……でも、実際には、そうはいきませんでした。
なぜなら、働き者のアリたちばかりを集めたはずなのに、いつの間にか、働いているのは、やっぱり全体の20%しかいなかったのです。
80%の働かないアリたちを集めても同じこと。
結局、そのうちの20%が急にまじめに働きだして、全体の割合には変化がなかったというのです。
そして、さらに研究が進んで、わかってきたこと。
それは、遊んでばかりいる80%のアリこそが、集団の維持にとっては大切で欠かせない存在だったということです。
どういうことかと言いますと……
確かに20%アリたちは、わき目も振らずに、見つけたエサがある場所と巣とを往復し続けます。
これは確かに、勤勉で働き者のアリの態度ですね。
だけど、運び続けているうちに、いつか必ず、エサは無くなってしまいます。
それから、新しいエサを探しはじめたのでは、巣を守るアリたちは飢え死にしてしまうかも知れません。
そこで、遊んでいるように見えるアリたちの登場です。
実は、このアリたちは、ただふらふら歩き回っているだけではなくて、気の向くままにあちこち動き回っているうちに、偶然、新しいエサのありかを見つけ出したりしているのです。
つまり、80%アリたちは、遊んでいるかのように見えて、実際には、いろいろな場所にアンテナを伸ばしていたりしているのですね。
ですから、この怠けアリたちがいるからこそ、集団としてのアリは、途切れることなく、いつでも食糧を得続けることができているのです。
だからといって、もちろん、勤勉なアリたちは大切ではないというわけではありません。
それぞれの個性や役目を、精一杯に生きることこそが大切なのですね。
私たちの毎日にしてもそう。
一日24時間を、24車両が繋がった貨物列車だと考えてみてください。
どの車両にも目一杯に荷物を積み込んで走るのは、重くて辛すぎます。
かといって、ちょっぴりしか乗せないのでは、もったいないですね。
多すぎず少なすぎず、楽で心地が良いくらいが、ちょうどいいですね。人生だって、同じことではないでしょうか。
楽に、心地よく、魂が納得するように……
自由に、楽しく……
つまり、自分らしく生きていきましょうよ。
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2007年02月09日 コメント&トラックバック(0) | トラックバックURL |
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