No.717 リチャード・バック
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「地上において、あなたの使命が終わったかどうかを知るテストをしてみよう。
もしもあなたがまだ生きているのであれば、それは終わっていない」
– リチャード・バック(アメリカの作家)–
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崖の上から、突き落とされそうになったら、もちろん誰でも、必死になって抵抗します。
足を踏ん張って、全身に力を込めて、突き落とされまいとがんばりますね。
こんな実験をしてみましょう。
ふたり以上でで行います。
畳のへりでもいいし、座布団の上でも、カーペットの模様でも構いませんから、ある線を目印にして、そこから下が深い崖の下だと仮想してみるのです。
ひとりが、仮想した崖っぷちに立ってみます。
その下は、断崖絶壁で、もしも、落ちたら絶対助からないだろうと想像してみます。
それほど真剣に思い込めなくても、なんとなく怖いような気分になれたら、 それで十分です。
そして、もうひとりは、立っている人の背中を押して、崖から突き落とそうとしてみます。
崖っぷちにいる人は、強く意識しなくても身体が勝手に反応して、突き落とされないように足を踏ん張るでしょう。
脳にとっては、追いつめられたとき(ストレスがかかったとき)には、現実も想像も同じことになります。
余裕があるときには、「ここは畳の上だから安全だよ」などと思うこともできるのですが、(仮想にしても)緊急の場合には、そんなことを考える脳の部位よりも、本能的な部分が、活発に活動をはじることが要求されます。
理性的な思考は抑えられ、本能的な脳の部位、つまり、生き残ることが最優先される部分が、動き出すのです。
だから、たとえ想像上でも、崖の上に立っていて、突き落とされそうになっている状況をイメージすると、身を守るために、自然に身体が反応してしまうのです。
うそだと思うのでしたら、実際にやってみてくださいね。
極端に力の差があるのなら話は別ですが、ほとんどの場合、仮想の崖から落とされそうになっている人は、自分でも驚くくらいの力を発揮して抵抗するようです。
頭のどこかでは、「これはウソなんだ。本当は崖なんてないんだ」と思いつつも、勝手に身体が反応して足を踏ん張っているのです。
でも、崖っぷちの人を簡単に突き落とすことができる方法があります。
その秘訣をお教えしましょう。
(絶対に悪用しないでくださいね)
それは、必死でがんばっている人の、おでこを、軽く指先でチョンと突いてみることです。
すると、あら不思議、あんなに抵抗していた人の力が一瞬、スーと抜けて、見事に足を踏み外して、崖の下に突き落とすことに成功するのです。
なぜそうなるのかを簡単にご説明します。
さきほどから見ているように、人はストレス状態に追い込まれると、「生きるか死ぬか」モードに突入しますね。
そんな緊急の場合、理性的、知的、あるいは創造的なことを考える脳の部分はあまり役に立たないと本能的に判断され、とにかく「生き延びる」ことを担当する脳の部位が最優先とされ、そこに大量の血液が流れ込むことになります。
「生き延びる」脳は、『戦う』『逃げる』など、その状況に応じて最適な方法を選ぶと、ただそのことだけに、意識を集中し、身体もその指令に従います。
その状況においては、他の選択肢を考えることすら出来ず、ひたすら、ひとつの行動に執着するのです。
太古の昔から、そうしないと、生きてはいけなかったのですから。
それを「ポン」とおでこに触れられるだけで、一点に集中していた意識が、別の方向にも分散され、ちょっと身体の力も抜けてしまいます。
これが、「崖からうまく人を突き落とす」秘訣です。
さて、崖っぷちで必死にがんばるということですが、このシステムがなければ、我々は、現代まで生き残って繁栄を続けることはできなかったでしょう。
本当にうまくできていて、役に立つシステムですね。
……ただし、本当に崖から突き落とされそうになったり、ジャングルを歩いていて、突然、サーベルタイガーが現われたときには(この場合は、『逃げる』という行動に集中しますね)
だけど、今の現代社会で、緊急の場合が、そんな形でやってくることはほとんどないでしょう。
それでもストレスはあります。
人間関係の軋轢、失業、失敗、人に裏切られた……
そんなストレスにも、緊急事態だと「生き延びる」脳は受け止めます。
そして、ストレスが強かったり、長い間苦しみを受け続けると、余裕がなくなり、「生き残る」ためにひとつのことしか考えられなくなるのです。
とにかく、誰のことばにも耳を傾けず、同じやり方を続ける。
自分の殻に閉じこもる。
(矛盾しているかも知れませんが)これ以上の苦しみを避けるために、自ら命を絶つという選択をする場合すらあるようです。
深呼吸をして、肩の力を抜いてみてください。
誰にも辛く苦しいときがあります。
もうダメだとあきらめたり、自信を喪失したり、世間を呪ってしまっていることだってあるでしょう。
でも、そんなときこそ、自分を信じて、自分の創造的な力を発揮して、その壁を乗り越えるとき。
もうひとつ大きく成功するチャンスのときなのではないでしょうか。
あなたは今、生きています。
そして、それは、魂に秘めた夢を実現するためなのです。
必死になってがんばる必要などないのです。
さあ、おでこに「ポン」と手を当ててみて、もっと楽になって、前に向かって歩きはじめましょうよ。
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2006年12月08日 コメント&トラックバック(0) | トラックバックURL |
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