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【癒しのことば】Vol.434 2003/7/7
総発行部数:14,197部
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※古今東西の名言から、ストレスを和らげ心を癒すことばをお届けします。
毎週 月・木曜日配信
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「ただ自分を信ぜよ。
そうすればどう生きればよいかがわかるだろう」
-- ゲーテ(ドイツの文豪)--
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ヨーロッパに伝わる、中世の騎士道物語『アーサー王伝説』に、こんなお話
があります。
……あるときアーサー王は、邪悪な魔法使いの策略により危機に陥ります。
「すべての女性が望むことは何か?」
という命題の答えを見つけださなければ、命を失うことになってしまったの
です。
アーサー王は、世界中のあちこちを旅して、出会う女性たちにこの命題を問
いましたが、なかなか本当の答えらしいものを見つけることができません。
最後に、やっと答えを知っているという醜い老婆に出会います。
ところが老婆は、答えを教える代わりに、自分の夫として、若くて立派な騎
士を望むと言うのです。
アーサー王は、藁をもすがる思いで、老婆と約束を交わし、答えを聞き出す
ことに成功します。
こうして、難を逃れたアーサー王ですが、今度は、老婆との約束に心を悩ま
せることになります。
それを見かねた、円卓の騎士のひとり、ガウェイン卿が、自分が老婆と結婚
しようと申し出ます。
まわりの人たちは、この若く美しい騎士の勇気ある決断に同情するしかあり
ませんでした。
形ばかりの結婚式がとりおこなわれ、ガウェインと花嫁は、自分たちの部屋
へ入りました。
しかし、ガウェインは、ふたりのために用意されたベッドに腰掛け、醜い老
婆に背を向けたままです。
いくら王の忠義を守るためとはいえ、自分の運命を呪わずにはいられなかっ
たのです。
「わが夫よ、なぜ、私に背を向けるのですか? こちらを見てください」
そう言われて、しかたなく振り向いたガウェインが見たのは、醜い老婆の姿
ではなく、世にも美しい若い女性でした。
「あなたは誰だ? 私の妻は、どこへ行ったのだ?」
驚いてガウェインは、叫びました。
「私があなたの妻です。これが私の本当の姿なんです」
女性が言うには、自分は悪い魔法使いによって老婆の姿にさせられていて、
望みのひとつである立派な騎士と結婚することが叶ったので、元に戻ったの
だということです。
「でも、もうひとつの望みがかなうまでは、昼か夜か、どちらか半分の時間
しか、この美しい姿ではいられません。夫であるあなたに決めて欲しいの
です。人々に笑われながらも、楽しみのために夜だけ美しい姿でいる方が
いいのか、夜は楽しくなくても、人々と楽しく過ごすために昼だけ若い女
性でいるのか」
ガウェインは、迷わずこう言いました。
「決めるのは君だ。自分の望むようにするがいい」
それを聞くと、若い女性は、目に涙を浮かべて言いました。
「ありがとうございます。もう私は、昼も夜も、老婆の姿に戻ることはあり
ません。魔法はすべてとけたのです。たった今、ふたつ目の願いが叶った
のですから」
そう、彼女のふたつ目の望みとは、「自分の意志で決めること」だったので
すね。
そして、もちろん、アーサー王が見つけた、すべての女性が望むことも、同
じ「自分の意志で決めること」ということだったのです。
ガウェインは、「決めるのは君だ。君には、それだけの力があるのだ」とい
うことばで、魔法にかかった女性に、本当の自分に目覚める力を与えました。
人任せではなく、自分の力で選択する自由を得たとき、見えてくるすばらし
いものがあるのでしょう。
これは女性だけでなくて、すべての人に言えることなのですね。
毎日が虚しい、自分が何をしたらいいのかわからない、今の自分ではいけな
いと思ってしまう……
そんな魔法にかかっている人がいたとしたら、自分を信じることからはじめ
てみましょう。
円卓の騎士がいなくても、あなたには、ずっと自分の道は自分で決めるため
の力があるのですから。

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