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【癒しのことば】Vol.344 2001/11/30
総発行部数:13,253部
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※古今東西の名言から、ストレスを和らげ心を癒すことばを月~金の毎日お届
けします。
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「賢い人とは多くのことを知る人ではなく、大事なことを知る人である」
-- アイスキュロス(ギリシャの詩人)--
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禅のことばに、
「終身道を譲るも百歩を枉げず」
というものがあります。
道などで人と鉢合わせたときに、一歩や二歩下がって場所を譲ったとしても、
余分に歩くのは生涯合わせて百歩にもならない。
そんな些細なことにこだわることはない、といったようなことを教えてくれ
ているのでしょうか。
でも私たちは、ついつい小さなことを気にして落ち込んだり、不愉快な気分
になったりしてしまいます。
ちょっとばかり同僚より昇級が少なかったといっては不満を感じたり、食事
に行ったレストランで少し待たされれば、接客態度が悪い、と腹を立てて気
分を害したりします。
また、交通渋滞に巻き込まれれば、
「みんな車なんか乗らなければいいのに」
などと自分も車に乗っていることを忘れて、イライラすることもあるでしょ
う。
もっと余裕を持って生きていくことはできないものでしょうか。
仏教哲学者のひろさちやさんは、日本では親や教師が子供たちに、
「他人に迷惑をかけてはいけないよ」
と教えますが、これが少しおかしいのではないかと語っておられます。
たとえばインドでは、
「あなたたちは、他人に迷惑をかけているのですよ」
と教えているそうです。
はじめは、「えっ」と思ってしまいますが、考えてみれば私たちは、ただ生
きているというだけで地球上の酸素や食糧を消費しますし、入学試験や入社
試験に、ひとりが合格するということは、必ず誰かもうひとりが落ちていま
すよね。
家を建てれば、そこに住めない人もでてきますし、ひとりが出世すれば他の
人は、そのポストにはつけません。
何をやっても結局は人に迷惑をかけることになるようです。
もちろん、
「人に迷惑をかけてはいけない」
ということは正しいことですし、それを心がけることは大切でしょう。
でもそこにこだわりが生まれると、ちょっとした失敗をしても、
「まわりの期待に答えられなくて心苦しい」
と必要以上に自分を責めてしまいます。
あるいは、他の人から受けるちょっとした迷惑も許せなくなってしまいます。
ひょっとしたら、それこそ私たちが、つまらないことで心を煩わせる原因の
ひとつなのではないでしょうか。
本当は、
「自分は、人に迷惑をかけている」
ということを、ちゃんとわかっていることの方が大切なようです。
だからこそ、それを許されて生かされている自分の存在を、とても大切なも
のと受け取ることができますし、人から受けるちょっとした迷惑も、当たり
前のものだと許すことができるでしょう。
「できない」ことを何とかがんばって「できる」ようにしようとすることも
大事ですが、「できない」ことは「できない」とちゃんと受け取って、今、
自分が「できる」ことをがんばってみることの方がもっと大事なのかも知れ
ませんね。
結局がんばることは同じなのですが、気持ちが全然違ってくると思いますよ。