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【癒しのことば】Vol.274 2001/7/30
総発行部数:12,118部
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※古今東西の名言から、ストレスを和らげ心を癒すことばを月~金の毎日お届
けします。
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「薔薇の花を与える手には、常にほのかな残り香りが漂う」
-- 中国のことわざ --
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『徒然草』に、こんな話があります。
その昔、良覚僧正というお坊さんがいました。
従二位である藤原公世の兄であるといいますからたいそう家柄も良く、僧と
しての位も高かったようですが、とても性格が悪く怒りっぽかったので、み
んなから嫌われていたということです。
僧正のお寺には大きな榎の木がありましたので、みんなは僧正を名前ではな
く、「榎木の僧正」と呼んで茶化していました。
僧正は、こんなあだ名で呼ばれるのが気に入りませんでしたので、その榎の
木を切ってしまいました。
「・・・これで『榎木の僧正』などとバカにする奴はいるまい」
僧正はそう思っていましたが、木を切っても切り株が残っていたので今度は
「きりくいの僧正」というあだ名を付けられてしまいます。
僧正はますます腹を立てて、切り株までも掘りおこすことにしました。
するとその跡に水がたまり大きなお堀ができたのです。
僧正はとうとう「堀池の僧正」と呼ばれるようになったということです。
(『徒然草』第45段)
ちょっとこんな実験を楽しんでみてください。
誰かに頼んで自分に触れてもらうのです。
親しい人ならハグしてもらっても構いません。
ただし、その際、はじめは相手に思いっきり息を吸い込みながら触れるよう
にしてもらってください。
さて、どんな感じがしたでしょうか?
次に、もう一度同じように触れてもらうのですが、今度は、思いっきり息を
吐くようにしながら触れてもらってください。
どんな感じがしますか?
私の経験から言うと、息を吸い込みながら触れてもらったときには、何か自
分が利用されてしまうような気がして、あまり心地よい感じではないようで
す。
でも、息を吐きながら触れてもらったときには、とても自分のことを受け入
れてもらえたような感じがして、安心できるような気がします。
みなさんはどんな感じがしたでしょうか。
どうしてそんな感じがするかというと、きっと息を吸うということは「奪う」
ということを象徴しているからなのではないでしょうか。
そして息を吐くのは「与える」ということの象徴なのでしょう。
もし私たちが「与える」ということをしているのなら、これを感じた人たち
は心地よい感じを受け取ることになるのではないでしょうか。
すると、自分もその心地よさを受け取ることになり、結局は与えたもの以上
のものを、私たちは受け取ることになるのかも知れません。
ところが意識的にせよ、無意識的にせよ「奪う」ということをしていたらど
うでしょう。
それを感じた人は心を閉ざし、「奪う人」は、誰からも受け入れられること
はないかも知れません。
「奪う人」とは、 いつも不機嫌な人、人との深い関わりを避ける人、責任
逃れをする人、すぐにカッとなる人、どんなことも悪い面ばかりを見る人、
人の気持ちをわかろうとしない人……などです。
そんな人に限って、自分が誰からも愛されないと嘆いているようです。
さらに、相手が悪い、世間が悪いなどと自分を被害者だと思っているのです。
でも良覚僧正のように、あだ名の原因をいくら取り除いても、自分が変わろ
うとしない限りは、いつまでたっても同じことのようです。
本当に自分が欲しいものがあるのなら、それを思いっきり与えてみることが
大切なようですね。
人に優しくしてもらいたかったら、人に優しくしてみる。
人から受け入れてもらいたかったら、人を受け入れる。
人から愛されたいのなら、人を愛する。
だって、息を吐かないと、いくらがんばってもそれ以上息が吸えないでしょ
う。
そして、思いっきり息を吐けば、知らぬ間に思いっきり息を吸い込んでいる
でしょう。

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