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【癒しのことば】Vol.254 2001/6/27
総発行部数:11.535部
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※古今東西の名言から、ストレスを和らげ心を癒すことばを月~金の毎日お届
けします。
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「人生で成功者になるための主な条件は、仕事に対して日々に興味を新たに
できること、仕事に絶えず心を打ち込めること、毎日を無意味に過ごさな
いことである」
-- ウィリアム・ライアン・フェルプス(アメリカの教育者)--
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戦国時代の剣豪・塚原卜伝の道場に、弟子入り志願の若者がやってきました。
若者は、それ以前にかなりの修行を積んでいて、すでにある程度の実力を備
えているようで、入門の試し試合を見ていた卜伝も思わず唸るほどでした。
「私は、この道場で一生懸命に剣の修行に打ち込むつもりです」
という若者に、卜伝はこう言いました。
「お前は、なかなか筋がいいようだから、5年も修行すれば免許皆伝になれ
るかも知れんぞ」
ところが若者は、もっと早く免許皆伝になりたかったので、こんなことを言
いました。
「それでは私は、寝食も忘れて修行に打ち込みたいと思います。だとしたら、
何年くらいで免許皆伝になれるのでしょうか」
卜伝は、苦笑いをして、
「寝食を忘れてやるなら、十年はかかるだろうな」
と答えました。
若者は、ムキになって卜伝に尋ねます。
「では何もかも捨て去り、死にものぐるいで修行に励めばどうでしょうか」
卜伝は、少し怒ったように答えます。
「それではお前は、一生免許皆伝にはなることはできぬぞ。その道理がわか
るまでは、入門を許すことはできんな」
アリストテレスの『ニコマコス倫理学』には、こんなことが述べられていま
す。
「轡(くつわ)、手綱の類をつくるのは馬術のためであり、馬術は兵法のた
めにあり、かくてより高い目的へと向かう・・・」
つまり、どんなことでもより高い目的のためにあり、さらにそれさえ高次の
目的のために存在しているということです。
そして、最高の目的に至った段階では、もうその目的は他のものの役に立つ
ためにあるのではなくて、そのためだけにあるということになるということ
も言えるのかも知れません。
私たちが、目指すところも、本当はそこにあるのでしょう。
でも、つい私たちは、その最高の目的を忘れて、何か役にたつもの、今の自
分に役に立つものに、こだわってしまうことも多いようです。
もちろん、今はそれに一生懸命に取り組むことが大切でしょうが、それはよ
り高い目的のためにあるということも忘れないようにしたいものです。
たとえば、会社へ行っている人が、一生懸命仕事をがんばるのは、本当はよ
り自分を高めたり、仕事を通じて社会に貢献するというより高い目的がある
からなのではないでしょうか。
そしてそれは、さらにより高次の段階にまで続く過程であるようです。
でも、ただその過程にこだわると、出世や上司に認められるためだけに仕事
をすることになってしまいます。
確かに、それは自分にとって何かの役にたつのかも知れませんが、いつまで
もその段階に留まっていれば、より大きな成長は望めないでしょう。
また、そんなものの見方に慣れてしまうと、役に立たないことは意味のない
ことだと思えてくるかも知れません。
月を指さすとき、本当に注意を向ける必要があるのは、空に輝くお月さまで、
指している指ではないのです。
私たちが、この世界に生まれてきたのは、生きることによろこびを感じるた
めなのではないでしょうか。
これは、いろいろな考え方があると思いますが、私としてはそう考えた方が、
より楽しく生きられる気がします。
それは何の役にも立たないかもしれないし、意味もないと感じるかも知れま
せん。
でも、それこそが、その目的が最高で最大のものだということを証明してい
るようですね。
私たちは、何のために仕事をしなければならないのか、なぜ私がこんなこと
そしなければならないのか、そんなことを考えてしまうときもあります。
ときには、仕事が楽しくない、人生に意味を感じることができないと悩んで
しまうこともあるでしょう。
そんなときは、今、自分に与えられた仕事や役割は、もっともっと高次の目
的に向かっていくためにあるのだ、と考えてみてください。
それを楽しみ、一生懸命に打ち込むことが、いろんなことを学び、私たちが
より大きく成長していくことになるのですよね。
さあ、思いっきり仕事に向き合ってみましょう。
うれしいこと、つらいこと、苦しいこと、いろいろ味わってみましょう。
それが、私たちをより高いところへ導いてくれるのですから。

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