No.218 トルストイ

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【癒しのことば】Vol.218 2001/4/27        
   総発行部数:6087部
  
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※古今東西の名言から、ストレスを和らげ心を癒すことばを月~土の毎日お届
 けします。
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 「どこにも神を見た者はいないが、もしわれわれが互いに愛し合うならば、
  神はわれわれの胸のなかに宿るのである」

                    -- トルストイ --

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 中国の高名な禅師のもとへ、イギリス人の大学教授が訪れました。

 教授は仏教哲学が専門で、論文をまとめるために、その禅師の意見を聞きに
 きたのです。

 禅師は、
 「お話をはじめる前に、すこしお茶でも飲みましょうか」
 と教授に勧めました。

 茶瓶を火にかけ、お湯が沸くのを、禅師は静かに見守っています。
 教授も黙って待っていたのですが、頭のなかは、今取り組んでいる論文のこ
 とで一杯でした。

 禅師にどんな質問をすれば、いちばん効率がいいだろうかと、一生懸命考え
 を巡らせていたのです。
 「何から聞いてみようか……」
 「これを聞くと、たぶんこう答えるだろうな…… その前に、やっぱり、
  この質問の答えも聞いておかなくては……」

 やがてお湯が沸き、禅師は湯飲みをふたつ用意し、そのひとつを教授の前に
 置きました。
 そして、その湯飲みにお湯を注ぎはじめました。

 その間も、教授の頭のなかは、忙しくいろいろな考えが駆け巡っています。

 禅師は、静かにお湯を注いでいます。
 湯飲みが一杯になりましたが、禅師はさらにお湯を注ぎ続けます。

 とうとうお湯は、湯飲みを溢れ、畳の上へこぼれ落ちはじめましたが、それ
 でも禅師は、注ぐのをやめようとはしません。

 教授は驚いて、思わず叫びました。
 「何をしているのですか!」

 禅師は、教授の顔を見て微笑みました。
 「この湯飲みは、あなたの頭と同じです」
 教授が、意味がわからず困惑していると、禅師は、続けてこう言ったそうで
 す。
 「あなたの頭は、もう何かで一杯のようですね。
  ですから私が何を注ごうとしても、それはきっと溢れだすだけでしょう」


 ヨガの秘法に「呼吸合わせ」と呼ばれるものがあります。
 それは、ふたりがピッタリと抱き合い、お互いの胸の鼓動にただ意識を向け、
 呼吸を合わせていくという方法です。

 ただそれだけのことなのですが、体験してみると本当に深い一体感を得るこ
 とができ、安らかな気分になれるものです。

 相手の呼吸を感じようとしているうちに、だんだんと自分のなかのいらない
 ものが外へ出ていき、相手を受け入れる空間が広がっていくのです。
 それは、ただ今「そこにいる」ことだと言えるでしょう。

 すると、いつもは自分の頭のなかの雑音で聞こえなかったものが聞こえてき
 たり、いろいろな考えがじゃまになって見えなかったものが見えてきたりす
 るのです。

 そして、相手も自分も、このままですばらしいのだという感じを持つことが
 できるのです。

 誰かを受け入れるということは、結局は自分を受け入れるということになる
 ようですね。


 余計な先入観や、決めつけなどを手放して、ただ一緒にいてあげる。
 話しを聴いてあげる。
 そんなコミュニケーションこそが、私たちにとって、本当はいちばん大切な
 ものなのでしょう。

 それは結局、この世界を愛し、自分を愛するということにつながっていくの
 ではないでしょうか。

 それがこの世で、いちばんすばらしいことなのかも知れませんね。

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このページは、shinが2001年4月27日 14:01に書いたブログ記事です。

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