No.177 スティール

| | コメント(0) | トラックバック(0)

======================================== http://www.unicorn.ac/ ======
【癒しのことば】Vol.178 2001/3/2        
   総発行部数:5233部

======================================================================
※古今東西の名言から、ストレスを和らげ心を癒すことばを月~土の毎日お届
 けします。
----------------------------------------------------------------------
 
 「すべての人は自己の運命の創造者である」

            -- スティール(イギリスの劇作家)--


----------------------------------------------------------------------


 かつてヴィテナリーというバイオリンの名手がいました。

 彼がまだ無名のころ、当時としては非常に高価だった5千ドルのバイオリン
 でコンサートを開催するという広告が出回ったことがありました。

 そんな高価なバイオリンなら、さぞかし美しい音が奏でられるだろう……

 たくさんの人がそう期待して、そのコンサートに押し掛けたそうです。

 期待に違わず、ヴィテナリーが演奏をはじめると、そのすばらしい音に人々
 は酔いしれました。
 さすがは、最高級のバイオリン。
 他ではとても聴けそうもない、気品のある音に魅了され、集まった人たちは
 心からの満足を感じていたのでした……

 とそのとき、ヴィテナリーはいきなり持っていたバイオリンを床に向かって
 力いっぱい叩きつけたのです。
 
 当然のことながらバイオリンは、無惨にも壊れて、見る影もありません。
 観客席は、一瞬、静まり返ったかと思うと、すぐにどよめきはじめました。
 「ああ、5千ドルのバイオリンが……」
 「あいつは気が狂ったのか!」
 
 するとコンサートの主催者が壇上に上がり、観客に向かってこんなことを、
 言いはじめました。

 「みなさん、お静かに! 
  実は、いまヴィテナリーが壊したバイオリンは、5千ドルのものではあり
  ません。あれはたった2ドルのものなのです。
  ヴィテナリーは、音楽は楽器の善し悪しではなく、あくまでも楽器を使う
  人の腕によって創造されるものであることを、知ってもらいたかったので
  す。
  お騒がせして、申し訳ございませんでした。
  これから、本当に5千ドルのバイオリンの演奏をはじめたいと思います」

 もういちどヴィテナリーが壇上に立って、演奏をはじめましたが、人々はも
 うその音がいいか悪いかということは気になりませんでした。

 ただヴィテナリーの技量そのものに対して、敬意をはらい、感動して深く聞
 き入ったのでした。

 
 私たちに与えられた境遇が、楽器だとすれば、その善し悪しはいろいろある
 でしょうね。
 誰もがうらやむような恵まれた環境で育った人もいれば、とても悲惨な家庭
 生まれつく人もいます。

 また、今現在の人間関係を含めた環境に満足をしている人もいれば、
 「もっとこうなりたい、ああだったらよかったのに……」
 といつも不運を嘆いている人がいるかも知れません。

 でも、その楽器を上手く弾きこなせるかどうかは、あなたの腕にかかってい
 るのです。
 どんな立派な楽器を持っていても、上手く弾けなければどうしようもありま
 せん。

 逆に、粗末な楽器でも、美しい音を奏でることができる人もいるのです。


 「自分はツイていない……」
 そんなふうに嘆くのはやめましょう。

 あなたが奏でる音楽を、美しいものにするかどうかは、楽器がいいか悪いか
 ではなく、あなたがどう演奏するかに関わっているのですから。

 いつだってあなたが持っている楽器は、あなたにとって最高のものなのです。

 そして自分の道は、いつも自分で創りだしていくものなのですから……

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: No.177 スティール

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.iyashinokotoba.net/mt4/mt-tb.cgi/178

コメントする

このブログ記事について

このページは、shinが2001年3月 2日 13:08に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「No.177 ゲーテ」です。

次のブログ記事は「No.178 松下幸之助」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。