No.162 佐野之泰

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【癒しのことば】Vol.163 2001/2/9        
   総発行部数:4604部

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※古今東西の名言から、ストレスを和らげ心を癒すことばを月~土の毎日お届
 けします。
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 「料理にたとえるならば、運命の役割はせいぜいのところ料理の調達係に過
  ぎない。 
  同じ材料を与えられたからといって、同じ料理ができるとは限らない。
  与えられた材料を生かして、どの様に料理を作り上げるかは、我々1人1
  人の料理の腕にかかってくる」

            -- 佐野之泰(「幸福への羅針盤」より)--


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 中国がまだ明だった時代に、袁学海(えんがくかい)という人がいました。

 医者だった父を幼い頃に亡くした学海は、父の後を継ぐために医術を学んで
 いましたが、あるとき長い髭をたくわえた老人に出会い、こんなことを言わ
 れます。
 「おまえさんは、官吏になるべき人じゃ。なぜその勉強をされんのか」

 よく話を聞いてみると、その老人は高名な易者でした。
 そして老人は、学海のこれまでの半生を占ってみせました。
 すると、そのほとんどが的中していたのです。

 学海は、すっかり老人を信頼し、官吏になるための勉強をはじめる決心をし
 ます。
 そんな学海に、老人は将来のことも占ってみせ、県の試験では何番目、府の
 試験は何番、そして道の試験は何番の成績で合格するだろうと告げました。

 翌年に袁が試験を受けたところ、この老人の予言はすべて当たっていました。

 すっかり敬服した学海は、自分のもっと先のことも老人に聞きに行くように
 なります。
 「科挙は何番目に合格し、こういう出世をする。残念ながら子どもは持てん
 じゃろう。そして、53歳には寿命が尽きる……」

 その後の学海の人生は、ことごとく老人の占った通りになっていきます。
 いつしか学海は、人間というものは、どんなことであれ運命によって決めら
 れていて、なるようにしかならないのだと諦観するようになりました。

 そんなとき南京の大学に遊学した学海は、ある禅寺を訪ねてみます。
 座禅すること3昼夜、平然としている学海にその寺の禅師は感心します。
 「あなたはすでに悟りを開いているように見える。いったいどのような修行
 をされたのですか?」

 学海は答えて言いました。
 「人間というものは、すべて運命が決まっているのです。迷いも何も浮かん
 でくるはずがありません」

 それを聞いた禅師は、
 「なんだ、とても出来た人物と思ったが、お前さんも、ただの凡夫ではない
 か」
 と笑ったそうです。

 そして禅師は、運命は自分がつくっていくものであるということを学海に、
 諭します。
 幸せは、与えられるものではなくて、自ら求めるもの、道は自分で切り開い
 ていくものだという思いが大事であるということを教えたのです。

 それからの学海は、禅師の教えに従い、積極的に人生を生き、徳を積むとい
 うことを実践しました。

 その結果、老人の占いの結果は、だんだんと外れるようになり、学海の人生
 はどんどん好転していきます。
 できないといわれた子どもも生まれました。
 また、53歳で尽きるといわれた寿命は、20年以上も延び74歳で満ちた
 りたその生涯を閉じることになります。


 「命」を「運ぶ」と書いて「運命」
 目の前に運ばれてきた命題を、自分の意志と力を信頼して解決していく……
 これこそが「運命を拓く」ということのようですね。

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このページは、shinが2001年2月 9日 12:21に書いたブログ記事です。

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