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【癒しのことば】Vol.144 2001/1/16
総発行部数:3700部
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※古今東西の名言から、ストレスを和らげ心を癒すことばを月~土の毎日お届
けします。
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「希望---それ自体は幸福の一様態にしか過ぎない。
だが、ひょっとすると、現世がもたらし得る一番大きな幸福であるかもし
れない」
-- ジョン・レノン --
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ある田舎道を、ひとりの若い男がとぼとぼと歩いていました。
その男は、肩を落とし、何度もため息をついていて、見るからに打ちひしが
れているようでした。
なぜなら、彼は、今まで住んでいた街で、さんざんな目に遭ったのです。
失業していくら探しても仕事は見つからないし、近所つき合いはうまくいか
ない、さらには恋人には逃げられる……
何もかもうまくいかなかったのです。
そこで彼は、心機一転、もう一度やり直すために、その街から逃げだし、別
の町へ行ってみることにしたのでした。
でも彼は、何の当ても無かったし、別の街へ行っても、また同じ結果になる
ような気がして、歩きながら、何て自分は不幸なんだろうという気持ちにな
ってきていたのです。
その道すがら、彼は、ひとりの老人が道端に腰掛け、のんびりと煙草をくゆ
らせているのを見かけました。
そこで彼は、老人に、こう尋ねてみました。
「ちょっとお訊きしますが、ここからいちばん近い街までは、歩いてどのく
らいかかるのですか?」
すると老人は、こう答えました。
「そうだなあ・・・、お前さんなら、少なくとも三日くらいかのう。
いやもっとかかるかもしれんし、ひょっとしたら永遠にたどり着けんかもし
れんなあ。何しろ、わかりにくい道じゃて、迷うかもしれんし……」
男はそれを聞いて、さらにがっくり肩を落としました。
そして、大きなため息をついて、また歩き出そうとしました。
そんな男に、老人は声をかけました。
「ところで、お前さんは、何をしにその街へ行きなさるおつもりじゃ?」
男は、前の街でのことを、老人に話しました。
すると老人は、
「お前さんは、運がいいのう……」とにやりと笑いました。
「実は、その街には、わしの知り合いがおってのう。この間、人手が足りん
と、嘆いておったところじゃ。お前さんは、見るからにまじめそうじゃから、
そいつに紹介してやってもいいぞ」
老人は、その仕事の内容や、待遇を若い男に伝えました。
それを聞いているうちに、男の目が輝いてきたのです。
それこそ男は、自分が本当に探し求めていた仕事だというような気がしてき
たのです。
男は、すべてを聞き終わらないうちに、その街へ向かって歩き出しました。
先ほどとは、打って変わって、とても軽く力強い足取りで、胸を張って、元
気良く……
そんな男を、老人はあわてて追いかけました。
男が歩くのがあまりにも早いので、老人は、ぜいぜい息をつきながら走らな
ければならないほどでした。
「先ほどは、お前さんの足では、三日はかかると言ったがのう……」
やっと男に追いつくと、老人は、こう言いました。
「今のお前さんなら、半日もかからんじゃろうて。そして、道に迷うことも
まずあるまい」
先ほどとは別人のような男に、老人は続けて言いました。
「ついでに、その街の名前を教えておいてやろうか……
その街の名前は、“希望”というのじゃよ」

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